監修医師中山 潤一 医師(医療法人社団佳和会 理事長)
日本整形外科学会認定 専門医 / 医学博士 / 明石市医師会理事 / 明石市整形外科医会会長



エクソソームとは、細胞が分泌する直径30〜150ナノメートルほどの微小な小胞です。内部にはタンパク質やRNAが含まれ、細胞同士の情報伝達を担う「メッセンジャー」として機能します。
近年の研究では、間葉系幹細胞(MSC)由来エクソソームが、炎症の抑制および軟骨・骨軟骨組織の修復の促進に関与することが報告されています。注目されている理由のひとつは、生きた細胞そのものではなく「情報物質」を投与するというアプローチにあります。

エクソソームには、炎症を抑える働きや軟骨細胞の修復を促す生理活性物質(成長因子・マイクロRNAなど)が豊富に含まれています。これらの物質が細胞間の情報伝達を媒介することで、組織修復を促進すると考えられています。
当院では、PRP療法・APS療法・培養幹細胞治療などと組み合わせて治療されることをお勧めしています。
エクソソームが細胞に取り込まれる
超音波ガイド下でひざ関節内に注射します。エクソソームが滑膜・軟骨周囲の細胞表面にある受容体と結合し、細胞内へ取り込まれます。
炎症性サイトカインの抑制
細胞内に入ったエクソソームから、マイクロRNAやタンパク質が放出されます。これらが細胞の遺伝子に直接はたらきかけ、過剰になっている炎症のシグナルを鎮め、修復に向かうシグナルを後押しすることで、関節内のバランスを整えていきます。注射した薬が効くというより、細胞自身が動き出すイメージです。
細胞同士の情報伝達を活性化
シグナルを受け取った細胞は、今度は自分が送り手となって、隣の細胞にも同じメッセージを伝えます。この連鎖が関節内へと広がることで、注射部位にとどまらない広い範囲への作用が期待されています。
組織修復・痛みの緩和
情報伝達の活性化によって関節内の炎症バランスが変化すると、関節液の質が改善し、痛みが和らいでいきます。
ただし、エクソソームは臨床研究が進行中の分野であり、エビデンスはまだ蓄積の段階にあります。個人差も大きく、必ずしもすべての方に同等の効果が得られるわけではありません。
ひざへの注射療法にはいくつかの種類があります。どの治療法が適切かは一人ひとりの症状の程度・生活スタイル・治療に求めるゴールによって異なります。
| 比較項目 | ヒアルロン酸 注射 |
PRP療法 (多血小板血漿) |
エクソソーム 注射 |
幹細胞治療 |
|---|---|---|---|---|
| 作用の仕組 | 潤滑・緩衝作用 | 成長因子による 修復促進 |
細胞間シグナルで 抗炎症・修復誘導 |
幹細胞移植による 組織再生 |
| 主な効果 | 痛みの軽減 (一時的) |
炎症軽減・ 修復促進 |
炎症抑制・ 情報伝達を促進 |
軟骨再生の可能性 |
| 効果の 持続時間 |
数週〜数ヵ月 | 約半年〜12ヵ月程度 | 6〜24ヵ月 (個人差大) |
長期 (症例依存) |
| 処置時間 | 5〜15分 | 30〜60分 (遠心分離含む) |
15〜30分 | 事前培養に数週間 |
| 採血・ 組織採取 |
不要 | 採血が必要 | 不要 | 採取・培養 が必要 |
| 素材の由来 | 合成・ 発酵由来HA |
自己血(自家) | 他家 (幹細胞由来) |
自家 |
| 治療の ゴール |
日常生活を 維持する |
炎症を抑え 修復を促進する |
組織修復の 後押し |
軟骨・組織の 本格的な再生を目指す |
ご予約いただいた日時にご来院ください。
まずMRI検査を受けていただき、その結果をもとに医師が診察します。

○MRI検査を実施します。
○ひざ関節の内部の状態を詳しく確認し、エクソソーム注射の効果が期待できるかどうかの判断材料にします。

○現在のひざの状態、これまでの治療歴をお聞かせください。
○伺ったお話や、触診で得た情報、MRI画像をもとにエクソソーム注射の効果が見込めるかどうかを医師よりご説明いたします。。
○治療の適応を判断した場合は、本治療に伴う注意点をご説明します。

適応があり、治療内容にご同意いただけましたら、エクソソームをひざ関節に注入します。
※治療を受けるかどうか迷われた場合は、一旦持ち帰ってご検討ください。
エクソソームの働きは細胞同士の情報伝達を促進することです。PRP療法・APS療法・培養幹細胞治療と組み合わせて治療されることをお勧めします。
適応の判断や治療内容のご説明のみのご相談も承っております。
ひざの状態をしっかり検査してから治療したいという方は、検査から診察までがスムーズな『ひざ再生医療・MRI即日診断』がおすすめです。来院当日にMRI検査と診察が受けられます。お気軽にご相談ください。
再生医療の無料カウンセリングをご希望の方は、こちらからお申し込みください。専門スタッフがお悩みをお伺いしたうえで、分かりやすくご説明いたします。

詳しい費用については、料金ページをご確認ください。また、当院の治療は自由診療になりますが、条件により医療費控除が適用される場合があります。あわせてご確認ください。
個人差がありますが、1回でも効果を実感していただけることがほとんどです
当院では、APS注射や培養幹細胞治療と組み合わせてエクソソーム注射を受けられる方が多く、エクソソーム単独の場合と比べてより高い効果を実感いただけることが多いです。
多くの場合、1〜3か月かけて効果が現れてきます。
エクソソームの働きは細胞同士の情報伝達を促進することです。PRP療法・APS療法・培養幹細胞治療と組み合わせて治療されることをお勧めします。
変形性膝関節症・半月板損傷・軟骨損傷などでひざの痛みが続いている方を対象としています。
特に「ヒアルロン酸注射や内服薬を続けているが、十分な効果が得られていない」「手術はできるだけ避けたい」という方に向いた治療の選択肢です。末期の変形性膝関節症や、活動性の感染症・悪性腫瘍がある方は適応外となります。
はい、以下に該当する方は適応外、または慎重な判断が必要となります。
【原則として受けられない方】
【慎重に判断が必要な方】
不要です。
当院では、あらかじめ精製・品質管理された製剤を使用するため、APS療法のような採血や、培養幹細胞治療のような脂肪の採取は必要ありません。
用いる成分と作用機序が異なります。
PRPは患者さまご自身の血液から血小板を濃縮したものです。一方、エクソソームはドナー(提供者)の幹細胞培養液から抽出された細胞外小胞(微小な粒子)です。PRPは主に成長因子の放出によって組織修復を促進するのに対し、エクソソームは細胞同士の情報伝達を活性化して、より直接的に細胞レベルでの修復を促す点が特徴です。
作用する仕組みとアプローチが異なります。
ヒアルロン酸注射は関節の潤滑を補う「補充療法」であり、根本的な炎症抑制や組織修復作用は限定的です。エクソソームは多くの生理活性物質を含んでおり、強い抗炎症作用と細胞同士の情報伝達を活性化して、細胞レベルでの修復を促します。採血不要で処置の負担も少ない点も特徴です。
参考