監修医師中山 潤一 医師(医療法人社団佳和会 理事長)
日本整形外科学会認定 専門医 / 医学博士 / 明石市整形外科医会会長



指を切ったり、転んで膝を擦りむいたりして出血しても、やがてかさぶたができて自然に止血し、やがて傷は回復します。 この自然治癒のプロセスを担っているのが、〝血小板〟と呼ばれる血液細胞です。
血小板は損傷を受けた部位に集積し、「成長因子」と呼ばれる物質を放出します。成長因子は細胞の増殖を促すシグナルとして機能し、組織の再生を助けるとともに、痛みの一因となる炎症を和らげる役割を果たします。
PRP療法は血小板が持つこうした働きを利用し、関節内の痛んだ組織の修復能力を一時的に高め、痛みや関節機能の改善を後押しする治療法です[1]。
PRP療法で投与する成長因子は、細胞分裂や組織修復を活性化するタンパク質の総称です。なかでも血液中に含まれる血小板由来の成長因子は次のような作用をもたらします。
PRP注射では、血小板由来の成長因子を大量に活性化した状態で直接ひざ関節内に注入します。これにより、関節炎などで損傷を受けた組織の再生・修復の促進が図られ、早期に痛みの改善が期待できます。
| TGF-β | ・細胞増殖、分化を調整 ・コラーゲンなどの細胞外基質の産生を促進 |
|---|---|
| PDGF | ・線維芽細胞などの増殖・遊走を促進 ・組織修復やコラーゲン産生を支援 |
| VEGF | ・血管内皮細胞の増殖・遊走を促進 ・血管新生を促進 |
| FGF | ・線維芽細胞や内皮細胞の増殖を促進 ・組織修復や血管新生を支援 |
| IGF | ・細胞の増殖や代謝を促進 ・軟骨や骨の修復を促進 |
| EGF | ・上皮細胞の増殖を促進 ・損傷部位の表面修復を支援 |
「手術はまだしたくない」「でも痛みをどうにかしたい」——
そのようなお悩みを抱える患者さまに、当院のPRP療法は多くご利用いただいています。
PRP療法はスポーツ障害や外傷後の痛みにも幅広く対応できる治療法です。半月板損傷・軟骨損傷・靭帯損傷などの痛みでお悩みの方もぜひご相談ください。
採血と注射のみで行えるため、手術・入院は不要です。身体への負担が極めて少なく、現役のプロスポーツ選手も受けている治療です。

ひざ関節にPRPを注入し、血小板に含まれる成長因子の働きによって組織修復を促します。関節内の状態を根本から改善するアプローチのため、長期的な作用が期待できます。

PRP注射は、100%患者さまの自己血液を使用します。そのため、アレルギー反応や拒絶反応が生じにくい、安全性の高い治療法です。

来院当日に採血し、クリニック内でPRPへの加工を行い、同日にひざ関節へ注射できます。
ご予約いただいた日時にご来院ください。
まずMRI検査を受けていただき、その結果をもとに医師が診察します。

○MRI検査を実施します。
○再生医療による改善効果は、ひざ関節の状態によって個人差があります。
○ひざ関節の内部の状態を詳しく確認し、PRP注射の効果が期待できるかどうかの判断材料にします。

○現在のひざの状態、これまでの治療歴をお聞かせください。
○伺ったお話や、触診で得た情報、MRI画像をもとにPRP注射の効果が見込めるかどうかを医師よりご説明いたします。
○治療の適応を判断した場合は、本治療に伴う注意点をご説明します。

PRP注射の適応があり、治療内容にご同意いただけましたら、20mL程度の採血を行います。採取した血液を遠心分離し、血小板を多く含む成分を抽出して、ひざ関節に注入します。
※治療を受けるかどうか迷われた場合は、一旦持ち帰ってご検討ください。
採血やPRPの注入に伴う痛みはほとんどありません。入院も不要で、治療後はそのままご帰宅いただけます。
PRP療法は、ヒアルロン酸や生理食塩水を用いた治療と比較しても、有害事象のリスクは上昇しないという報告があります[2]。
一方で、注射を伴う治療である以上、関節内感染や出血、アレルギー反応などの合併症が生じる可能性を否定することはできません。
当院でこれまで実施してきた症例においては、こうした有害事象は確認されていません。
①治療当日
PRP注射を受けた当日は湯船への入浴は控え、シャワーでお過ごしください。翌日から入浴できますが、長時間の入浴は2〜3日程度避けるようにしましょう。
②治療翌日~3日目
激しい運動は避けてください。治療部位に腫れがなければ、徐々に再開するようにしましょう。
③治療3か月頃まで
ひざに負担をかけすぎないようにしましょう。長時間の歩行や、階段の上り下りは極力控えてください。
PRP注射の費用については、料金ページをご確認ください。また、当院の治療は自由診療になりますが、条件により医療費控除が適用される場合があります。あわせてご確認ください。
関節や腱・筋肉まわりの慢性的な痛みに有効です。
たとえば、以下のような症状が対象となります。
ただし、同じ症状でも痛みの程度や原因によって適応かどうかが変わります。
当院の治療の適応かどうか、ひざの状態をしっかり検査してから治療したいという方は、検査から診察までがスムーズな『ひざ再生医療・MRI即日診断』がおすすめです。来院当日にMRI検査と診察が受けられます
明確な上限回数は決まっておらず、症状の改善度や経過によって判断します。
当院で提供しているPRP注射は、1回と3回のコースになります。治療経過を見る限りでは、3回打つ人と1回打つ人とでは治療効果に差異があります。
ケースバイケースとお考えください。
個人差がありますが、早い方では2週間〜1カ月程度で痛みの軽減を実感される場合もあり、多くの方は注射後、数カ月かけて徐々に効果が現れます。
PRP注射は即効性のある治療ではなく、徐々に痛みが軽減していく治療です。
治療後すぐに効果が現れないからといって、失敗というわけではありませんので、ご安心ください。
参考